音楽院2年生の冬。恩師の訃報は突然だった。
鷲見先生に、わたしがうまくなることで喜んで欲しくて、
いつか褒めて欲しくて、ヴァイオリンを頑張ってきた。
それが、終わった。
そして、問いは再びやってくる。
誰のため?
何のため?
わたしの中で、大きく何かが変わったときだった。
こんどは自分のために。そして、大切な人達のために。
天国にいる先生と、偉大な音楽家達の魂のために。
ヴァイオリンは、四次元のツールなんだと気づいた。
わたしはヴァイオリンをやめなかった。
音楽に近づくために、必死で生きるんだ。
生きることが、音楽なんだ。
それが、わたしがここで見つけた答えだった。
「人間的な音楽」という真実を求めるため、わたしはきょうも生きる。
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